パリ音楽院で「8つ」プルミエ・プリ(最優秀賞)を取っという事実だけでも特筆できるが、2003年春にはフランスで第十回クラシック音楽大賞(作曲家部門)受賞。また、オルガンリサイタリストとしても活躍、特に即興における、扇情的とも言える表出は、過去のオルガン演奏では聴けなかったタイプの音楽だろう。
Hommage à DURUFLÉ / Thierry ESCAICH Calliope (F) CAL 9939 ● 恐るべきオルガニスト、エスケシュによるデュルフレ・トリビュート盤。自作 を除く作品演奏という観点からも興味深いが、内容の素晴らしさに度肝を抜かれる。「組曲」は、この作品の持つダイナミクスを徹頭徹尾引き出した演奏で、他の同曲録音では類例を見ない。激流と静粛な深淵とが頻繁に交差し、デュルフレの音楽に本来存する濃厚さが強い求心力を伴って、初めて顔を出したといってよい。また「4つのモテット」につけられたエスケシュの即興も、大変見事なもの。 改めてデュルフレの音楽の奥行きを実感できる 1 枚である。 Fugetzu ☆☆1/2 ('03.08.28 修正) ● パリ音楽院で8つのプリミエ・プリを取り、現在は母校で作曲を教えるエスケシュ。オルガニストとしてはデュリュフレの後継者として、サンテティエンヌ・デュ・モン教会の主席奏者を務める。特に即興演奏を得意とし、このCDでもデュリュフレのモテトでアルテルナティムに奏される即興(特にトラック12)が良い。デュリュフレのトッカータは、終結部に向けての演奏が圧巻。録音も透明感が高い。Toku
Improvisations / Thierry ESCAICH Chamade (F) 5635 ●エスケシュの持ち味は、振幅の激しい情念表現と迅速膨大な伝統書法の処理能力である。この 4 主要聖務に資する即興演奏では、その暴力性は勿論のこと、スパコンのような音楽形成の演算能力の方に驚嘆する。多様な伝統書法の包摂を実現しながら、風琴を多彩なパラメータでダイナミックに操ってゆく。風琴演奏では難しい細かなデュナーミクの技法など、実に見事だ。中でも「聖週間」の 3 つの即興が特に素晴らしい。彼の持ち味は、激しい情念の波のみならず、視覚イメージにもよく訴求する点で、大変わかりやすさも持ち合わせている。 Fugetzu
管風琴音盤百選 演奏家別 一覧 Last updated: 2004. 01. 05 ... Compiled by Toku <cd100@orgel.com> .
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