入門用ディスク
オルガンは即興が最高


◆1 驚愕のオルガン即興

ピエール・コシュロー/ノートルダムのオルガニスト
PIERRE COCHEREAU : l'organiste de Notre-Dame
Solstice (F) SOCD 94/96 (3-CD set)

●コシュローのノートルダムでの即興録音は、かなりの量に上ると聞いているが、 これまでリリースされていた録音が何だったのか、と言いたくなるような凄絶な音楽の記録となっている。74年の「スケルツォ・サンフォニック」は、まるで輝 きが繚乱する生命体。3枚目のミサでの即興も、深淵を抉る力だけではなく、何か予兆的ともいえる広大な包容力ある演奏。このボックスは、コシュローのみならず、即興演奏史に深々と爪痕を残す記録といえよう。 Fugetzu ☆☆☆ V ; ●何の躊躇いもなく、「ここにはオルガン録音史上最も重要な記録となった演奏が幾つも含まれている」と言うことが出来る。 1955年から84までパリ・ノートルダム寺院のオルガニストを務めたコシュローが遺(のこ)した即興録音は多いが、パンスメイユが選曲したおかげで、今までに日の目を見たものと隔絶して優れた演奏が含まれている。1曲選ぶなら2枚目最後のスケルツォ・サンフォニックだろう。だが、(ポンピドー大統領の葬儀を含む)ノートルダムのミサや晩祷の記録から選ばれた3枚目全21曲を通して聴くなら、他に類を見ない衝撃的な演奏が次々と現れ、本当の凄さが分かる。それにしても、芸術の都パリではこんな途方もない音楽が、毎日曜のようにタダで聴けたのだ。それを追体験できる我々は、コシュローを説得して、ノートルダムのロフトで16年近く毎日曜のようにテープレコーダーを回し続けたエンジニアのカルブ(FY-Solstice レーベルのオーナー)に感謝せねばならない。なお、作品演奏が中心の1枚目は特筆すべきものではない。('03.10.24 修正) Toku ☆☆☆ V

◆2  

ギユー:即興演奏の技術 (various)
The Art of Improvisation / Jean Guillou, Organ
Dorian (USA) DOR-90101

●ギユーの即興録音の中でダントツなのがこれ。4ヶ所での即興録音を拾遺した ものだが、どの即興も峻烈かつ複雑な音響、知的かつ劇的さも有する展開に溢れ、 音響・音楽ともにギユーの骨頂を遺憾なく発揮した瞠目すべき内容ばかり。現代のオルガン即興演奏の ひとつの頂点をなすものと評価したい。 Fugetzu ☆☆ V ;  ●1987〜1990年、パリ、アルプス山中、チューリッヒ、ニューヨークの4個所でのギユーの録音から 彼自らがピックアップした即興演奏のコンピレーション。"Jubile" と題された冒頭のトラックにまず度肝を抜かれるが、ここにはおよそ中庸の演奏はない。 Dorianレーベルに残したギユーの録音の中で特に興味深く、また彼の真骨頂を示す1枚。 初期フィリップスでの即興と比較して表現力が広がるとともに、劇的な方向への傾斜も強まっている。 Toku ☆☆1/2 V  このCDを購入

◆3  

芽生える魂/ナジ・ハキムの即興演奏
L'âme en Bourgeon (Hommage à Olivier Messiaen) / Improvisations of Naji Hakim
on poems by Cécile Sauvage. Narrator: Catherine Salviat. Concert at La Trinité.
Rejoyce (F) JOYCLASSIC 004     (Rec: 1998-Dec)

●メシアンの母セシル・ソバージュの詩『芽生える魂』の朗読とハキムの即興。 オルガンと朗読のコラボレーションは、オルガンの豊穣な音色が表現的に奏効し面白い内容の録音が多いが、これはその中でも出色。メシアン自身による録音もあるが、即興における演奏内容は格段にハキムの方が面白い。詩の感興表現の自在さと閃きの豊かさ、音のパレットの広大さ、どれを取っても素晴らしい内容で、ハキムの録音の中でも精彩を放つ1枚。Fugetzu ☆☆1/2 ('03.09.07 修正) ;  ●ハキムは即興を得意とするが、これはその中でも格別霊感に満ちた演奏。本人から聞いたところでは、 この録音の直前、彼はひどい偏頭痛の発作に襲われていたという。 Toku ☆☆  ('03. 9.07 up)

◆4  

即興演奏/エスケシュ (パリ、サンピエール・ドゥ・シャイヨ教会)
Improvisations / Thierry ESCAICH
Chamade (F) 5635

●エスケシュの持ち味は、振幅の激しい情念表現と迅速膨大な伝統書法の処理能力である。この 4 主要聖務に資する即興演奏では、その暴力性は勿論のこと、スパコンのような音楽形成の演算能力の方に驚嘆する。多様な伝統書法の包摂を実現しながら、風琴を多彩なパラメータでダイナミックに操ってゆく。風琴演奏では難しい細かなデュナーミクの技法など、実に見事だ。中でも「聖週間」の 3 つの即興が特に素晴らしい。彼の持ち味は、激しい情念の波のみならず、視覚イメージにもよく訴求する点で、大変わかりやすさも持ち合わせている。 Fugetzu ☆☆☆V ; ●エスケシュの本領はやはり即興演奏だろう。このアルバムがまずは最右翼ということになるだろうか。降誕祭(クリスマス)、聖週間、など典礼暦の主な祭日のミサ、あるいは聖務を想定した即興演奏。 Toku ☆☆ V 暫定




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Last updated: 2003. 9. 18 ... Compiled by Toku <cd100@orgel.com> .


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