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スペイン (Sp)

Hispavox

ホァン・カバニリェス/パウリーノ・オルティス (ダローカとトレドの歴史的オルガン)
Juan Cabanilles - En los Organos de Daroca y Toledo
P. Paulino Ortiz

Hispavox (Sp) 5 66026 2
- Rec: early '70s
●Hispavox の当シリーズのうち、オルガン盤は数枚出ていた。録音の少ないスペインの歴史オルガン音盤の中では、優れた録音のひとつ。中でもこのカバニリェスが秀逸。カバニリェスも纏まった録音が少ないが、やや古色ながらも力強いオルティスの演奏は、特にトレドの水平トランペット管の剛毅な音響を下支えする。 Fugetzu ☆☆ ; ●技術ではなく芸術的表現力こそはスペイン人音楽家が理想として求めたものであった。 彼らの伝統である「情緒表現」は、オルガンにおいてはカバニーリェスで頂点に達する。 有名なエル・エスコリアール修道院のオルガニスト、パウリーノ・オルティス神父の素朴で泥臭いが情熱的な演奏は カバニーリェスの音楽の魅力を忠実に伝えており、深い感動を覚える。同じシリーズで、同神父がカベソンを弾いた1枚 (7 63600 2) が出ており、これも悪くはない。 Toku ☆☆



オランダ (NL)

festivo

ジャンヌ・ドゥメシュ : Vol. 1 (パリ、マドレーヌ教会)
Jeanne Demessieux, Vol. I
festivo (NL) FECD 131
- Rec: 1958-Jul
− このCDは 2000年末で製造中止になりました −
●ドゥメシュの面白さは、一般的に聴かれるような、音楽の頂点を作り上げようとするプロットを放下していることだ。 特にロマン派以降の作品は、これが音楽のイマジネーションを素直に引き出す結果となる。その代表がリスト。ここでは 「BACH」。ラストを盛り上げる直線性をきっぱり避け、しかし随所に活力あるフレージングをかけてゆき、実に自在。 ヴィドールも「ヴィドールらしからぬ」凝縮したエッセンスを持つ。反面、彼女のバッハやモーツァルトは、当時の フランス人解釈のパラダイムを超えるものではなく、特記すべき要素はない。 Fugetzu 1/2 ; Toku ☆☆1/2 V


ジャンヌ・ドゥメシュ : Vol. 2 (パリ、マドレーヌ教会)
Jeanne Demessieux, Vol. II
festivo (NL) FECD 132
    - Rec: 1958-Jul
− このCDは 2000年末で製造中止になりました −
●ドゥメシュの異形な音楽のフォーム変成例として、この盤ではモーツァルトの アダージョとフーガを挙げたい。スタッカート気味に、不協和音を悉(ことごと)く 大胆に衝突させつつ進み、かくもデモーニッシュな音楽かと唖然とした。この 破天荒さは、先のヴィドールと根元は同一だろう。対蹠(たいせき)的に バッハは、余りにも淡々と弾く。こうした極端な乖離もドゥメシュの魅力でもある。('03.08.07 修正) Fugetzu 1/2 ('03.11.23 修正)Toku ☆☆


ジャンヌ・ドゥメシュ : Vol. 3 (various)
Jeanne Demessieux, Vol. III
festivo (NL) FECD 141
- Rec: 1961, 63, 67
●ドゥメシュのユニックさのひとつは、時に異形なほど音楽のフォームを変成することだ。或る種デモニックな味わいにすらなる。この巻では、ヴィドールのトッカータがその典型例。快速かつ物狂い的スタッカートの多用で実に際どい音楽となるが、逆にこの曲のモザイク的構造が透過する。一方、エッジの明快さと剃刀の如く斬れる音楽の提示もまた彼女の面白さであり、メシアンのラサンション第3番は見事。圧巻はリストの「Ad nos」。快速淡泊な進行ながら、リストのイマジネーションを振幅大きく抉る。彼女のリストは高く評価したい。('03.11.23 修正) Fugetzu ☆☆ ; Toku ☆☆1/2 V

フランク: オルガン作品集/ジャンヌ・ドゥメシュ (パリ、マドレーヌ教会)
César Franck : Intégrale de l'œuvres pour orgue
Jeanne Demessieux

festivo (NL) FECD 155-156 (2-CD set)
- Rec: 1959-Jul
●数あるフランクのイチオシ名盤。解釈そのものではなく、フレーズの隈取りとテ ンポの取り方の巧妙さに特徴がある。中でも「交響的大作」とコラール第2番は見 事だ。ドゥメシュはフランクを窮めて即物的に扱う。特になかなか解決しない、 漠としがちな和声の姿態変容を明快に捉える。決して表現的な濃さはないが、フ ランクに纏わりつきがちな靄が一掃され、音楽も無駄を語ることがない。オルガ ン操縦術がこれほど見事なフランクには、滅多にお耳にかかれないだろう。 Fugetzu ☆☆1/2 ('03.10.26 修正)Toku ☆☆1/2 V

ラングレ:グレゴリア聖歌に基づく即興演奏 1986-87 (パリ、聖クロチルド)
Jean Langlais aux Grandes Orgues de la Basilique Sainte-Clotilde à Paris - Improvisations sur des Thèmes Gregoriens enregistrées en 1986 - 1987
festivo (NL) 6951 842

●ラングレ最後期のグレゴリアンに基づく即興演奏集。これほど複雑かつ濃醇な即興も珍しい。ラングレの音楽性を色濃く湛えた見事な即興だが、進行の中で次に予想される和声やパッセージへの展開がどんどん裏切られ、高度に知的なジャズの即興すら彷彿させる。オルガンという楽器の性質を根底的に捉えながらも、論理的な直線性から乖離し、円環的/循環的な拡張的進行とでもいえるような、不思議な時間感覚に覆われている。 Fugetzu ☆☆ ; ●フランスの伝統である、作曲者=オルガニスト=即興演奏家の伝統を担う音楽家として、ラングレが残した足跡は大きい。また、優れた教育者でもあった。録音はかなりあるが、これらは'86年春から演奏活動ができなくなる直前の'87年1月の間のミサにおける即興演奏。デジタル録音になって、フォルテシモ部分の音色が崩れずに聴けるようになったお陰もあるが、収録されている5つ全ての演奏において、冗長さがあまりない。これほど完成度の高い音楽的演奏は、トゥルヌミールの後に記録されたオルガン即興の頂点と言えよう。コシュローの即興がいかに音楽的であろうとも、ラングレはあくまでも 「オルガン的」 だ。もともと彼の個性は強烈だが、これらの演奏が放つ精神的パワーにはデモニックな説得力があり、その複雑な音楽は難解ではないにせよ安易に聞き流せるものではない。 Toku ☆☆☆


デンマーク (DK)

Danacord

ランゴー: メッシス/フレミング・ドライシ (ボルンホルム島:ロイヌ、ニコライ教会)
Langgaard : Messis - Flemming Dreisig
Danacord (DK) DACOCD 485/6 (2-CD)

●純粋にオルガン作品としてユニックなものを感じる訳ではないが、ランゴーという作曲家の 腐爛的芳香を持ったロマンチシズムの熾き火が、この長大な作品の中で夢魔の如く続く。 耽美な和声と爛れた不協和音の不定型な交叉、不気味なオスティナートなど、オルガン音楽の響きの中で 斯くも不健全な耽美性はなく、一度聴くとやめられぬ。 Fugetzu 1/2 ; ●近年再評価が進んでいるのが、カール・ニールセンの影に隠れて無視されてきたデンマークの作曲家、かつ オルガニストのランゴーである。これは彼の最も長大なオルガン作品。この、時代遅れ(?)で後期ロマン派風の甘い芳香は オルガン音楽のレパートリーの中ではかなりユニークな地位を占めると思われる。個人的には、ブルックナーの 交響曲のオルガン編曲などよりは、よほど面白い。演奏も楽器も、もう少し濃厚な味付けだったらと悔やまれるが、 そこまでは望めないのかも。このランゴーという特異な作曲家の軌跡は、今日の音楽家には考えれないほどファンタスティックなものだったと言えるかもしれない。 Toku ☆  このCDを購入


dacapo

ライフ・カイサー: オルガン作品/J. E. フレゼリクセン (コペンハーゲン、聖霊教会)
Leif Kayser : Organ Works / Jørgen Ellegård Frederiksen
dacapo (DK) 8.224167 - Rec: 2000-Nov & 2001-Feb

●デンマークの人、カイサーをこの盤で初めて聴いた。音楽に北欧的ローカリティは感じないが、前半 2 曲には健全なエクスタシスが聞こえ、好感度は大。 「Concerto per Organo」は、いかにもオルガニスト好みの曲と見た。技巧性はともかく、音楽がモザイックな組み合わせで、本質的なエロスやエスプリには届かないのは惜しい。フレゼリクセンの粘らず端正な演奏には好感が持てるが、これにあざとさが加わるとさらに面白い。 Fugetzu 1/2 ('03.08.07 up) ; ●カイサーの音楽は外面的な効果 とは無縁。和声は晦渋で、リズムの起伏も控え目。大方の聴衆にとってはハードルが高いかもしれない。 這いつくばるような旋律に加え、和声的にも半ばクラスター状の不協和音が多用される。しかし、一度ハマると癖になりそうな音楽である!  演奏者のフレゼリクセンは、デンマークのオルガニストとして抜きん出た資質の持ち主と見た。 もう少し詩情があってもいいと 感じるが、それはカイサーが自国の演奏家に期待するところでもあるまい...。 恐らく演奏のせいか、やや冗長さを感じさせる部分 もある()。 即興性を排したタイトな書法と、複雑な和声が醸し出す無限とも言える色彩の妙は随一。オルガン音楽の伝統的本質を伝える力強い音楽であり、20世紀オルガン作品の少ない頂点の一つと言えよう。一見晦渋だが、居心地の良さを感じる音楽でもある。 Toku ☆☆  このCDを購入


ドイツ (D)

Archiv

ルイ・クープラン:初録音/ミシェル・シャピュイ (スヴィニのクリコ・オルガン)
LOUIS COUPERIN - Erstveröfentlichung/First Publication
Michel Chapuis

Archiv/DGG (D) 198361 (LP)
(廃) - Rec: 1965.04
●クープランといえば、フランソワ? だが、フランソワに面白い要素は何もない。オルガン作品なら、骨太な音楽と 美しく質朴な和声を持つルイの方を。退屈な録音ばかりのルイの中では、未だシャピュイを凌駕するものはない。この演奏で初めて、光輪のように煌めく色彩と神々しさがルイの中に存するを知ることだろう。Fugetzu ☆☆ ; ●オルガン音楽の分野においては、一般的には有名なフランソワ・(大)クープラン より 内容の濃い、対位法を駆使した骨太の音楽を書いたのが叔父のルイであった。その楽譜が入手不可能に近いこともあって作品の評価が遅れたとも言えるが、この録音も知名度が低い。Toku ☆☆



Motette

ピエール・コシュロー/ケルン大聖堂のオルガンを弾く
Pierre Cochereau spielt die Orgel im Kölner Dom
Motette (D) CD 12611

(1972年5月30日、ケルン大聖堂におけるコンサート・ライヴ)

●作品演奏と長大な即興からなるコシュローのリサイタル録音。デュプレの暗さを伴わない厭世性、メシアンでの耳からはみ出すほど重層した和声のエロスも味わい深いが、交響曲形式による即興がやはりイチオシだろう。主題を明快・多彩に展開・再現させながら、まさに「コシュロー的」音響を介し、一貫して調性的で形式性に遊んだ即興である。特に2楽章では69年夏の小型オルガンによる即興の幾つかを、また3楽章では74年の「スケルツォ・サンフォニック」を彷彿させる。コシュローの抽出しからは、実に多くの音楽が引き出され、加えて奔放かつ高い集中力を有しながら、音楽は生々しい呼吸に満ち溢れる。 Fugetzu ☆☆ V   ●コシュローによるケルン大聖堂での貴重な記録。 最後のトラックに収められている交響曲形式で画かれた即興演奏に注目。 この驚くべき壮大な表現による音楽は、19世紀後半のフランス交響楽派に見られた冗長的なものとは違い、真のオルガン交響曲の具現化を 思わせるほどの感動的な内容に満ち溢れている。コシュローの高い音楽 性を今まで以上に眺望することが可能な1枚。 Hiro ☆☆☆ V   ●"Veni Creator Spiritus" (来たれ、創造者なる聖霊よ) に基づく交響曲形式4楽章の即興演奏後半に注目。第3楽章スケルツォで漸くエンジン全開となリ、フィナーレまで持続する。霊感を得るとやはり凄い。冒頭のデュプレとメシアンは付け足し。('04.01.06 修正) Toku ☆☆


Organa

ハラルド・フォーゲル/ノルデンのシュニットガー・オルガン
Die Schnitger-Orgel in Norden / Harald Vogel
(Die Norddeutsche Orgelkunst II)

ORGANA (D) 004
(LP)
●フォーゲルが Organa に録れた録音には、北ドイツの 数々の素晴らしい歴史的楽器が聴けるが、彼の録音の中でも滋味に溢れ、力感に満ちた演奏美学が集約されている。 中でも、このノルデンでの録音は、彼の録音の中でもベストといえるもの。 この楽器の美しい音響で弾かれるブクステフーデの「暁の星」は、耳の至福そのもの。 Fugetzu ☆☆ ; Toku


Raum Klang

オルゲル・ジャズ・インプロヴィザシオン/ダフィット・ティム (St. Nikolai zu Bad Liebenwerda)
Orgel Jazz Improvisation / David Timm
Raum Klang (D) RK9711

●これは即興の一環として推す1枚である。パイプオルガンで ジャズを演奏する意義を求めても無駄。スタンダードも収録されているが、あくまで彩りとして捉え たい。荘重だが鈍重なパイプオルガンという巨大楽器で、ティムは即興を縦糸とし、ジャズを横糸として楽器操縦、音楽の 生命線ギリギリまでバランスよく織りなす。生々しい肉声の如きインストゥルメンタル・ジャズの感覚とは違い、 マニピュレートで組み立てていく即興の中にジャズが脈打つ、という点が面白い。 Fugetzu ☆ ;  ●これは素晴らしく「生きの良い」演奏だ。第一印象は、オルガンという無機的な楽器を自家薬籠中のものとしている ライプツィヒの若手、ティムの初々しさ、清々しさであろう。このような観点から評価できるオルガン録音は少ない。 (後日談: 2001年9月、武蔵野市の招きで来日。 ジャジーな即興はもとより、後期ロマン派風の濃厚な和声に彩られた4楽章の交響曲などを披露した。録音より、生で聴く方が遙かに楽しめた。) Toku ☆1/2


旧ソ連 (USSR) / ロシア

Melodia

プーランク: オルガン、弦楽アンサンブル、ティンパニーのための協奏曲/レオポルダス・ディグリス
Leopoldas Digris, Organ (F. Poulenc, G. Bovet, C. Franck)
Melodia (R) 33CM-03955-6 (LP)
(廃)
●何と冷徹な音楽だろうか!が、プーランクの印象。通常演奏される微温的な音楽 から特絶した、一分の暖かみも感じられぬ厳格緻密な表情と音色。だが、面白い ことに、だからこそこのプーランクの作品が明確にその存在意義を主張している。 怖いもの見たさ以上に、音楽的な観点から、数ある録音の中でディグリス盤を特筆したい。 ボヴェの作品も、この不思議な感覚に存立した演奏であるだけに、一切の洒脱なきところが面白い。 Fugetzu ☆☆ ; ●オルガン協奏曲として最もポピュラーなのはプーランクの作品だろう。協奏曲とは言っても 「オルガン、弦楽アンサンブル、ティンパニーのための」もので、ちょっと変わった編成。 録音は多いがこれは特異な1枚。プーランクの器楽曲は、軽妙洒脱、パリのエスプリといったイメージが一般的だが、 それとはおよそかけ離れて凍てつくような北方リトアニアの大地を彷彿とさせる。 ゾンデキス指揮のリトアニア室内とともに整然と鳴り響く音楽は見事。 余白にはフランクのコラール3番と、ディグリスに捧げられたギ・ボヴェの小協奏曲。このフランクも凄絶。 Toku ☆☆



イギリス (UK)

EMI

リスト & フランク/ジェイン・パーカー=スミス
Liszt & Franck / Jane Parker-Smith
EMI (UK) ASD3994
(廃)
- Rec: 1979
●高度なテクニックを持ちながらも、音楽構造を澄明に引き出せるパーカー=スミス。 彼女の持ち味は、小品もさることながら、大曲でより一層理解できる。 リストの「Ad nos」は素晴らしい。特に後半の、速いテンポで淡々と弾き切りながらも、音楽の求心力が弥増すという感覚は、 他演ではドゥメシュ以外得難いものだ。 Fugetzu 1/2 ; Toku 1/2 V

カンティクム 〜 フランスオルガン音楽/ナジ・ハキム (パリ、トリニテ教会)
"CANTICUM" - French Organ Music / Naji Hakim
EMI Classics (UK?) 7243 5 72272 2 3

●技術難度の高くかつ音楽的にもユニックな自作自演をトリに置き、
今世紀フランス・オルガン音楽を俯瞰する流れで纏められた ハキムの1枚。メシアンもよいが、やはり「Pange Lingua」を主とする自作が無類に面白い。 現今のオルガン音楽に失われつつある、即興性、ヴァーチュオジティの開花といった側面を改めて脳天に打ち込んでくれる。 Fugetzu ☆☆ V ; ●サンフォニストの流れを汲む往年の名手がすべて逝ってしまった現在、パリでただ一人気を吐いているのが レバノン出身のハキムだ。むしろフランス国外において、作曲家としてすでに確固たる地位を築いている。即興の名手でもあるが、このアルバムでは自作曲が抜群に面白い。豊饒なリズムと和声に注目。Toku ☆☆
(なお、再プレスで表紙デザインが右のように変わった。2002年11月)  このCDを購入


メシアン: オルガン作品全集/ジェニファー・ベイト
Olivier Messiaen: The Organ Works / Jennifer Bate
Regis RRC 6001 (6CDs)   (オリジナルは Unicorn-Kanchana)
(準備中) Fugetzu ☆☆ ; ●最後の大作「聖体秘蹟の書」を除き、作曲家自身による優れた録音があるが、50年近く前の録音で音質的に難点がある。音色的な魅力はメシアンの音楽には書かせないので、最初に聴く録音としてベイトの全集を推す。廉価盤なので店によっては4千円以下で入手できる。特に、「聖体秘蹟の書」は作曲家公認の演奏/録音でもある。ともすれば官能的・感覚的な部分のみが強調されがちなメシアンの音楽だが、あくまでも理性的に捉えようとするベイトのスタンスから、メシアンの音楽、いやメシアンという人間の本質がえぐり出されるように思う。 Toku ☆☆1/2   アマゾンから購入 (注意: Amazon価格はやや高めです)


Decca, Argo

オーガン・インペリアル/カルロ・カーリー (ブリストル、セント・メリー・レドクリフ)
Organ Imperial / Carlo Curley
Argo (UK) 433 450-2
(廃) Rec: 1991(?)
●近現代の英国音楽の叙情と美意識は、オルガンにも反映されている。 カーリーの演奏は、この繊細な叙情を衒わずに賞翫するといった感じだ。その美しさの源泉は、歌心にある。 カーリーが紡ぎ出す音と歌は、豊満だが決して重く膨らむことなく、聴き手を包み込むような感触といえよう。 エルガーのソナタもよいが、小品の美しさも筆舌に尽くしがたい。 Fugetzu ☆☆ ; ●カルロ・カーリーによる、19〜20世紀イギリス・オルガン音楽のアルバム。 アイルランド系アメリカ人でロンドンに住むカーリーが、イギリス人以上に英国的なリリシズムをたたえた素晴らしい演奏を聴かせてくれる。「朝の歌」その他の小品に聴けるように、これほどオルガンという楽器をよく歌わせている演奏、また、これ以上に旋律の美しさを教えてくれるオルガン録音は他にない。多数のオルガニストが録音しているエルガーのソナタは、カーリーの演奏がイチオシ。大作を最後に置き小品を配したプログラムも よく考えられている。この録音の1年後に、ほぼ同じプログラムでライヴ演奏したビデオ(日本ではLD)もリリースされたが、これもDVD化を望みたい。(02.11.03 改訂) Toku ☆☆1/2 V


ASV

ヴィドール 〜 オルガン交響曲 第5番・第7番/ジェイン・パーカー=スミス (パリ、聖ユスタッシュ教会)
WIDOR - Organ Symphonies 5 & 7 / Jane Parker-Smith
ASV (UK) DCA 958
- Rec: 1991
●ヴィドールのシンフォニーは、全体構造の見通しが悪いと、小品集を連ねて聴く程度になりがちな演奏が多い。 パーカー=スミス盤は、ケレン味のない清灑なる佳演。速いテンポで弾き切る。 緩徐楽章はその分、豊麗な歌心には薄いが、感傷表現のあっさりしたところに、却って構成感がくっきり現れる。 Fugetzu 1/2 ('03.11.23 修正) ; Toku ☆☆ V  このCDを購入


Hyperion

エーベン 〜 オルガン音楽 1 /シアゲル (ストックホルム、ヘドゥヴィグ・エレオノラ教会)
Petr Eben - Organ Music 1 (Job / Laudes/ Hommage à Buxtehude)
Halgeir Schiager
/ Hedvig Eleonora Kyrkan, Stockholm
Hyperion (UK) CDA 67195

●ペーテル・エーベンが破格に面白いと理解できる名盤である。シアゲルの演奏は、 さすがに苦渋に満ちた重圧さには薄いものの、逆に明快・冷徹にその晦渋さを織 り上げることで、エーベンのフレームを逆転的に摘出したといえよう。就中、リ ズム処理をパーカッシブに磨くことで、エーベンの隠れがちな重要な要素が理解 でき、まさに目から鱗であった。 Fugetzu ☆☆ ('03.09.07 修正) ;  ●前衛以後の最も重要なオルガン作曲家の一人がチェコのエーベンだ。ノルウェーのオルガニスト、シアゲルの演奏が抜群に良い。作品のあらゆる構成部分に対して、常に的確なテンポが与えられており、実に見通しが良い。エーベンの音楽の面白さは、渋い和声と旋律に重畳したリズムの多様性ではないかと思う。 また、オルガンを打楽器に見立てた扱い方も、彼が新たに切り拓いた奏法であった。作品の晦渋さは シアゲルの明晰な演奏により姿を変え、スケールの大きい音楽として見事に再現される。 アルバムのタイトルとなっている Job が圧巻。旧約聖書ヨブ記によるこの作品は、オルガンにおける標題音楽の傑作。シアゲルの演奏は見事という他はない。第2集 も遜色ないが、第3集は期待外れ。Toku ☆☆1/2  このCDを購入 第2集を購入


Priory

トッカータ/キース・ジョン
Toccata!
Keith John plays the Organ of St Mary's, Woodford

Priory (UK) PRCD 002 - Rec:1987-May

●ジョンは、一聴、ギユーを喚起するものの、さらにクール。少しも脂ぎったところがなく、全体 きっぱり醒めた音楽になっている。特に、透けて見えるような音響と、少しも曖昧さを許さぬ 緻密なアーチキュレーションに統率され、オルガンらしからぬ?感触すらある。この録音で最も見事なのは、 ラフマニノフ〜ジョン編のパルティータだろう。Fugetzu ☆☆ ; ●ギユーやハイラーの作品も弾いているが、ここではバッハのヴァイオリン・パルティータが圧倒的名演だ。バッハの強靱な骨格にラフマニノフの豊饒な和声を適応すれば、これはピアノと言うよりは寧ろオルガンにこそ相応しい音楽になる。最初の日に十回以上繰り返して聴いてしまった。 Toku ☆☆1/2 ('03.10.18 修正)

リズミック・エナジー/キース・ジョン
Rhythmic Energy - I
Keith John plays the Organ of the Hallgrimskirkja, Reykjavik

Priory (UK) PRCD 532 - Rec: 1995-Feb/Mar

●ジョンの面白さは、緻密だが肩のこらない音楽表現と精緻な風琴演奏技術の見事な止揚にあり、風琴奏者として奇跡的な均衡の上に成り立つ。彼が自身の編曲に拘泥する理由もそこにあると思う。特に楽器の音色パレットを豊かにかつ全く適切に使える音感覚、また混濁なく全ての楽音を克明に聞かせるアーティキュレーションなど、聴く者を飽きさせることはない。このチャイコフスキーやプロコフィエフは、面白いだけではなく、聞こえない音が全くないという驚異の演奏だ。風琴演奏の極北とも言えるジョンを聴くべし。 Fugetzu ☆☆ ;  ●レイキャビクの街を見下ろすアイスランド最大の教会に設置(1992年)された大型オルガンを使用。 ジョンの編曲演奏による「くるみ割り人形」は、現代オルガンの音色可能性を極限まで追求した名演。 通常のオルガン演奏とは隔絶しているが、確固とした合理性に裏付けられたものであることは言うまでもない。トランスクリプションが、充実したオルガン音楽を求めた結果であることを雄弁に示す一枚。 Toku ☆☆1/2 ('03.10.18 修正)

グレート・ヨーロピアン・オーガン No.53 カリオ教会/キース・ジョン
Great European Organs No. 53 - Keith John
plays the Organ of the Kallio Church, Helsinki, Finland

Priory (UK) PRCD 638 - Rec: 1996-Feb
●ジョンの技術・音楽性両方の実力に驚かされる1枚。リストとシェーンベルクが 特筆もの。リストは通常のオルガン版ではなく敢えてピアノ版からの編曲である。しかし、風琴的表現力をピアニスティックな特質へ「翻訳」するものに非ず、むしろ大袈裟な慟哭と浄福劇に終わりやすい原曲を根底から逆照射するのであり、淡泊だが密度の濃さに改めて驚かされる。同じ意味で、駄作と思われてきたシェーンベルクも同様。豊かで適切な音色と全ての音が克明に聞こえる演奏により、初めて真価を問うたといえよう。聴くほどに味わい深い。Fugetzu ☆☆ ;  ●カリオ教会のオルガンは、フィンランド初のフランス・ロマン派様式。 聴きやすいモーツァルトや精緻なブラームスの編曲に、ロマン派・20世紀の 重要作品を組み合わせたアルバム。ここでも音色の変化が聴き所の一つ。Toku ☆☆ ('03.10.18 修正)   BBC Music Magazine : 「驚くほど多彩な音色 ・ 万華鏡のようなレジストレーション」、"(The Kallio Church organ is) capable, in the hands of an artist with the ingenuity of Keith John, of an astonishing variety of tone colours and blends. John's variations of registration are kaleidoscopic and his handling of this whole exploration of variation form is masterly."


Regis

メシアン: オルガン作品全集/ジェニファー・ベイト
Olivier Messiaen: The Organ Works / Jennifer Bate
Regis RRC 6001 (6CDs)   (オリジナルは Unicorn-Kanchana)
(準備中) Fugetzu ☆☆ ; ●最後の大作「聖体秘蹟の書」を除き、作曲家自身による優れた録音があるが、50年近く前の録音で音質的に難点がある。音色的な魅力はメシアンの音楽には書かせないので、最初に聴く録音としてベイトの全集を推す。廉価盤なので店によっては4千円以下で入手できる。特に、「聖体秘蹟の書」は作曲家公認の演奏/録音でもある。ともすれば官能的・感覚的な部分のみが強調されがちなメシアンの音楽だが、あくまでも理性的に捉えようとするベイトのスタンスから、メシアンの音楽、いやメシアンという人間の本質がえぐり出されるように思う。 Toku ☆☆1/2   アマゾンから購入 (注意: Amazon価格はやや高めです)


Virgin Classics

サンフォニ/ウェイン・マーシャル
SYMPHONIE / Wayne Marshall
Organ Works by Widor / Roger-Ducasse / Hakim / Dupré

Virgin (Classics) (UK) 7243 5 45320 2 3 - Rec: 1997-Oct

●こうしたシリアスな音楽を、マーシャルくらい楽々と弾きこなすオルガニストは 殆ど見当たらないのではなかろうか。とにかくうまい。うますぎるがゆえに ヴィドールなどは逆に退屈に思えてしまう。この録音の白眉はハキムの作品だろう。 恐らく作曲者本人を除き、ハキムの作品をこれだけ完璧にかつ魅力的に弾きこなせる人はいないのではなかろうか。 Fugetzu 1/2 V ; ●現役のオルガニストの中で、この種の音楽を弾かせたらこれほど壺にはまった演奏をする人は 他にいないのではないかとさえ思わせるほどの説得力ある音楽を聴かせる。ジャズ擬きの演奏よりも 本格的なクラシック作品をもっと弾いて欲しいと思う。彼はそれだけのキャパシティーを秘めている。   Toku 1/2 V  このCDを購入


アメリカ (USA)

Columbia

バッハ: パッサカリアとフーガ、他/アンソニー・ニューマン
Anthony Newman plays J. S. Bach on the Pedal Harpsichord and Organ
Columbia (USA) MS 7309 ; CBS SONY (日本盤) SOCO 49 (LP) (廃)
●オルガンとペダルチェンバロによるバッハ。ニューマン以前にも、ビッグスによりペダルチェンバロの録音は出ていたものの、明らかに到達点は異なる。特にパッサカリアにおける、オルガンでは曖昧に扱われやすいアーチキュレーションの変化、また音楽構造を透視するかのようなフーガに、彼の演奏のユニックかつ明確な視点が理解できる。
BWV 541 の生命力溢れた闊達さも忘れられない。 Fugetzu ☆☆ V ; ●バッハのオルガン作品においてどのようなレジストレーション(音色の選択)を行うかは常に悩みの種である。すなわち、理想的なオルガンもレジストレーションも、有るようで無いというのが正しい。 このパッサカリア、特にそのフーガがチェンバロで弾かれるのを聴くとき、バッハに対する常識がいかに誤ったものであるかが判るだろう。 もともとニューマンは音色感に頼る演奏家ではないが、また、バッハのオルガン作品は基本的に特定の音色を要求してはいないのである。 とすれば、音楽の構造を最もよく示す楽器を選ぶのは、しごく自然なことだと言える。 フーガの終盤で、曲想において内声部の動きが重要な働きをするパセージがあるが、この辺りの情感の表出などをオルガンで聴くことは難しい。 このCBSコロンビアへの初録音は、まさに衝撃のデビュー盤だった。 Toku ☆☆☆ V   (右は日本盤)

バッハ・オルガン作品集/アンソニー・ニューマン
BACH / NEWMAN
Columbia (USA) MS 7421 (LP)
(廃)
●トニー・ニューマンの米コロムビア時代のバッハには、注目すべき演奏が多い。中でも、このバッハのオルガン作品集は、超絶技巧ぶりに唖然とする。特にトリオ・ソナタの第5番は信じられない演奏である。のみならず、オルガンにおけるフーガ演奏をどのようにこなすべきか、のひとつの指針すらここにある。シャピュイのような卓越したレジストレーション能力はなくとも、古典的ストップの範囲において、フレージングだけでこれほどのフーガの妙味を味わせてくれるオルガニストはいないだろう。 Fugetzu ☆☆ V ; Toku ☆☆ V

オルガン音楽/アンソニー・ニューマン (various)
Music for Organ / Anthony Newman
Columbia (USA) M31127 (LP)
(廃)
●彼のオルガン録音の中で、最もバーチュオーゾ的面目躍如の1枚。中でも、フランクのコラール第2・3番とリストは快演。彼のオルガンは、超速的スピードにも拘わらず、ペダル音をベースとしたピラミッド・バランスが、全く揺るがないのは不思議なほどだ。特にフランクの第 3 番コラールは、ピアニスチックな旋律線の絡みが見事に引き出される。リストも同様で、ピアノ編曲版の無闇なトリルを聴かなくとも、十分にピアノ版的味わいが楽しめる。 Fugetzu ☆☆☆ V ; (準備中) Toku ☆☆


Angel, EMI Classics

ヴァージル・フォックスの芸術 Vol. 2 (ニューヨーク、リヴァーサイド教会 [エオリアン=スキナー])
THE ART OF VIRGIL FOX - Volume II
EMI Classics (USA) 7243 5 65913 2 5

●フォックスのアクの強さは、正直、苦手でもあった。しかし、憑依したかの如き 熾烈な集中力を持つ一方で、とろけるほど美しい歌心を表現できる演奏家でもある。このアルバムは 古典から現代までの小品を集めた録音だが、美しいながらも何と血潮の濃い音楽になっていることか! 少々 過剰ともいえる表現性は、しかし彼だけしかなし得ない形で、最も自然な音楽の流れを作り出していることがわかるだろう。 Fugetzu ☆☆ ;  ●フォックスの死後20年が経過したが、このCDを聴いて改めてその偉大さを認識した。 彼の演奏には即興性は殆ど感じられず、一見「音楽的」とは言い難いところがある。 そもそも近代的なオルガンはその究極の発達の結果、あまりにも操作が複雑でそれ自体が極めて非音楽的な存在になった。 その楽器を彼は、完全に自らの身体の一部として操るのである。 収録されている曲の大半は、せいぜい佳作と言えるほどの通俗的な音楽だ。 それが、あたかも錬金術のごとく、有機的に統合された巨大音楽構築物にメタモルフォーゼされる様は、オルガン演奏では他に例がない。 それを支えるルバートとクレッシェンディが見事だ。先入観なしに、しかし集中して聴いて欲しい。楽器の存在を完全に忘れるだろう。 Toku ☆☆☆  このCDを購入


Vol. I も同様に優れている。どちらを聴くか、両方取るか、まずは曲目で決めてもいいだろう。 Toku ☆☆1/2

Vol. III は対照的に、フランス・ロマン派や近代のオリジナル作品が中心を主体に聴ける。圧倒的な演奏の強度。 Toku ☆☆
 [2004年6月現在、Amazon.jpでは在庫切れ]

なお、3枚とも Amazonで 最初の5曲の冒頭を試聴できる。

VOX

ブクステフーデ・オルガン作品全集/ヴァルター・クラフト
Dietrich Buxtehude - Das komplette ORGELWERK
Walter Kraft

VOX (G) VXDS 103 (8-LP set)
(廃)
Rec: 19??
●ブクステフーデ全集は、決定的名演に恵まれているとはまだ言えない。中では、クラフト盤は、これだ!という決定力が特別ある訳でもないが、必ず立ち返って聴いてしまう録音である。ブクスの持つ、豪壮な音響への本性的希求が、実はクラフトの演奏の中に隠されているのではないかと感じている。 Fugetzu 1/2 ; ●ブクステフーデの録音演奏を語るとき、未だにこのクラフトのLPが一つの基準たるべきものを示していることは、不思議とさえ言えよう。さまざまな録音を比較した結果導き出された結論は、ブクステフーデのオルガン音楽には、特定の楽器の音色よりむしろ、豪快な残響自身が要求されているのではないか、ということである。その響きは私には、彼が青年時代に見たズント海峡の荒波を想起させる...。 Toku 1/2


Dorian

ギユー:即興演奏の技術 (various)
The Art of Improvisation / Jean Guillou, Organ
Dorian (USA) DOR-90101

●ギユーの即興録音の中でダントツなのがこれ。4ヶ所での即興録音を拾遺した ものだが、どの即興も峻烈かつ複雑な音響、知的かつ劇的さも有する展開に溢れ、 音響・音楽ともにギユーの骨頂を遺憾なく発揮した瞠目すべき内容ばかり。現代のオルガン即興演奏の ひとつの頂点をなすものと評価したい。 Fugetzu ☆☆ V ;  ●1987〜1990年、パリ、アルプス山中、チューリッヒ、ニューヨークの4個所でのギユーの録音から 彼自らがピックアップした即興演奏のコンピレーション。"Jubile" と題された冒頭のトラックにまず度肝を抜かれるが、ここにはおよそ中庸の演奏はない。 Dorianレーベルに残したギユーの録音の中で特に興味深く、また彼の真骨頂を示す1枚。 初期フィリップスでの即興と比較して表現力が広がるとともに、劇的な方向への傾斜も強まっている。 Toku ☆☆1/2 V  このCDを購入


Gothic

トランスクライバー(編曲者)の芸術/トーマス・マレイ (イェール大学、ウールズィ・ホール)
The Transcriber's Art / Thomas Murray
Gothic (USA) CD 49054

●トランスクリプションものは、どうも横目で見ているところがあったが、演奏そのものこそが、原曲という桎梏から聞き手を解放すると実感。音色の豊かさと技量、弱音での表情の美しさ、また衒いのない清澄・精妙な音楽。まさに名演。原曲と比べると、非常にストイックな印象があるが、原曲が「本然的」に持つ構造、浪漫や繊細な感興が非常によく出ており、「マ・メール・ロワ」など、管弦楽より魅惑的なイメエジだ。 Fugetzu ☆☆ ; ●E.M.スキナー作、北米随一のシンフォニックオルガンを 駆使してトーマス・マレーが余裕たっぷりに音楽的な演奏を聴かせる。小品を中心にクラシックの名曲を集めたレパートリーだが、 いずれもオリジナルの楽器(編成)では聴くことのできない音色や、オルガンならではのデュナーミクによる表現に 感心させられる。気楽に聴けると同時に、繰り返して聴くほどにますます大オルガンならではの面白さがわかる名演だ。 編曲の方がつまらないオリジナル演奏よりは余程面白いという好見本だ。 Toku ☆☆  このCDを購入


Raven

ホルスト:惑星/ピーター・サイクス (ジラード・カレッジ、E.M.スキナー)
Holst: The Planets / Peter Sykes
Raven (USA) OAR-380 - Rec:1995-Oct

●オルガンによる「惑星」編曲は、下手をすると、虚仮おどしで劣悪な趣味を露呈しかねない陥穽と背中合わせにある。 だが、サイクスの録音は、意地悪な聴き手の苦笑いを誘発することはない。 ジラード・オルガンの豊かな音響を活かしながら、大きいがきめ細かな空間画を描いていくようだ。 オルガン編曲の優劣は、オリジナルとの対比の可否よりも、 原曲の範型を忘れ、楽器と音響の「相応しさ」に耳を傾けるべきと考えさせられる1枚。Fugetzu ☆V ; Toku ☆ V  このCDを購入


JAV

ニューベリー・メモリアル・オルガン/トーマス・マレイ (イェール大学、ウールズィ・ホール)
Great Organbuilders of America: A Rretrospective (Volume 14)
Thomas Murray / Newberry Memorial Organ, Woolsey Hall,
Yale University, New Haven, Connecticut / 1929 Skinner Organ - Opus 722

JAV (USA) JAV 124 (2-CD set)

●(準備中) Fugetzu ☆☆ ('03.08.07) ; ●北米随一のシンフォニックオルガンである、イェール大学 ウールズィ・ホールのオルガン。アメリカが最も輝かしかった1920年代の終わり、大恐慌の前後に製作された。20世紀オルガン製作の頂点と言える。1枚目は、トーマス・マレーが音楽性豊かな即興演奏を主体に、解りやすい英語でこのオルガンの各ディヴィジョンや様々なストップを紹介する。素晴らしく魅力的なソロのリード管、輝きと芯のあるパワフルなアンサンブル。 録音はソロストップの個性的な音色や、重低音を担うペダルパイプの音が生々しいが、ホールの響きもとてもよく捉えられている。オーディオ・ファンの要求にも十分応えるものだろう。2枚目は、コンサートのライヴを収録したもの。レーガーやヒンデミットが、英文のみで72頁もある解説書は、写真も豊富で非常に充実したもの。 Toku ☆☆1/2




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Last updated: 2004. 6. 26




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